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洞窟の調査依頼が来ているわ

ある日、レイア達の所属するギルドには1件の依頼が届いていた。
それはとある洞窟の調査だった。
内容としてはよくあるもので、入った人が戻ってこない、幽霊がでるなどの変な噂が立っているから調べてほしいとのことだった。
最初に聞いたときは安全確認だけの簡単な依頼だと思った。
けれど、ギルドの受付嬢でもあるアンジュは今回の件について何か心当たりがあったのか、普段では考えられないような大掛かりなメンバーを選出した。
まずは正面から洞窟を調べるレイア、コハク、ジュディスのチーム。
そして、地図を調べてみるとこの洞窟にはいくつか他の出入り口もあるらしくそこからミラ、シェリア、ソフィのチーム。ティア、ナタリア、リグレットのチーム。そしてメルディ、フィリア、セルシウスのチームが侵入することになった。
(ここまでやる必要あるのかなあ……)
レイアも最初はそう思っていた。だが、やがてその考えは間違っていたことに気付くのだった。


「うーん、やっぱり繋がらないよ」
コハクが通信機を手にそう言った。
今、レイア達は洞窟内を散策しているところだ。
今のところ特に問題はない。
その旨を定期連絡として他のチームに伝えようとしたところ、どのチームとも連絡が取れないのだ。
「おかしいわね……」
とジュディスは怪訝な顔をする。
確かにおかしい、と、この頃より基本的に前向き思考のレイアでさえ違和感は感じ始めた。
この通信機は山の中だろうと海の底だろうと通じる高性能な機器だ。
洞窟内だからと言ってそうそう繋がらなくなるようなものではない。
「もしかして……」
何かあったのだろうか? とレイアは顔を曇らせた。
だけど、とにかく今は進むしかない。
「とりあえず、奥に進んでみようよ。もしかしたら合流できるかもしれないし」
レイア達は真相を確かめるべく、さらに洞窟の奥へと向かった。



奥へと進み、レイア達が発見したのは無数の氷像だった。
大きな部屋に立ち並ぶそれは、どれも少女の姿を象っていた。
「何よこれ……」
まるで生きた人間のようなリアルさを持った氷像。それが台座に飾られ、綺麗に並べられている様子は美しいを通り越して不気味にすら思えた。
そして、そんな氷像を見たコハクが決定的な一言を放つ。
「ねえ、これってもしかして……本物の女の子なんじゃない?」
「え?」
と、レイアは驚きの表情を隠せない。
「確かに……人間を凍らせる魔物っていうのもいないわけじゃあないわよね」
ジュディスも同じ考えのようだ。
確かにこんな辺鄙な洞窟で氷の彫像をつくような好事家なんてそうそういるものではないだろう。
だったら、ここにある氷像たちは何者かに凍らされ、コレクションとして飾られてしまっていると考えたほうが妥当かもしれない。
ということはだ。
「もしかしてほかのみんなも……」
想像して、冷や汗が流れた。
「コハク、ジュディス、急ごう!」
「あ、ちょっと待ってよ」
「あらあら」
レイアは二人に呼びかけると、嫌な予感を振り払うかのように走り出した。
その嫌な予感は的中していたのだが。


少し進むと再び氷像の立ち並ぶ部屋に出た。
だが、先ほどの部屋のように氷像が飾られているというよりも、こちらは無造作に置かれているような印象を受けた。
そんな中、レイアは1体の氷像に気づいた。
「ちょっと、これミラじゃないの!?」
レイアの視線の先、そこにあるのは凍り付いたミラの氷像だった。
剣を地面に突き刺し片膝をつくような格好で、悔しさのにじみ出るような表情で固まっていた。
さらにそのミラの近くには同行していたシェリアとソフィの姿もあった。
シェリアは寒さをこらえるように自らの胸を手で抱きながら、ソフィはその身をのけぞらせるような格好で固まっている。
凍らされる際の苦しみのせいか、二人とも表情は険しかった。
「ミラ……ミラ!」
「…………」
レイアはミラノ両肩に手を置き、必死で呼びかける。しかし、当然ミラからの返事はない。
微動だにせず、ただ沈黙しているだけだ。
そんなミラの両肩をつかむレイアの両手には、氷の冷たさだけが感じられていた。
「いったい誰がミラたちを……」
青白い氷の彫像と化したミラ、シェリア、ソフィの姿を見ながらレイアがそうつぶやいた時だ。
「どうやらミラたちだけではないようね……」
「そうみたい……」
ジュディスとコハクの声がした。
二人の目の前に立ち並んでいるのは別ルートから入ったはずの残りの仲間たちだ。
ジュディスの目の前に並んでいるのはティア、ナタリア、そしてリグレットたち3人だった。
3人の姿は巨大な氷に閉じ込められていた。そして、その氷の中に見える3人の姿はいずれも青白く染まっている。
全身を霜で覆われると同時に、さらに巨大な氷によって包まれた3人の姿はまるでガラスケースに保存されている美術品のようにも見えた。
そして、コハクの目の前に並んでいるのはフィリア、メルディ、セルシウスの3人だ。
フィリアは詠唱中なのか、祈るようなポーズで、メルディは召喚したウンディーネごと、セルシウスは対峙したであろう何者かに向かって拳を突き出すように凍り付いていた。
皆が一様に今や氷の彫像へと変わり果てている。
彼女たちはここで何者かと戦い、そして破れ、氷像へと変えられてしまったのだ。
驚くべきことはティアの教官でもあり卓越した戦闘能力を持っているはずのリグレットが、さらには冷気に強い氷の精霊であるはずのセルシウスまでもが凍り付いていることだ。
少なくとも彼女たちを物言わぬ氷像に変えてしまったほどの力の持ち主がここに入ることになる。
警戒を強めなければいけない。レイアがそう思ったとき
「あれ? まだ残ってたんだ」
あどけない、無邪気な声が響いてきた。
現れたのは小さな女の子だ。
(まさかこの子が?)
と初めは信じられなかったが、それはすぐに確信に変わる。
まるで獲物を見つけたといわんばかりに、嬉々とした鋭い笑みを浮かべる少女。
ああ、間違いなくこの少女こそがミラたちを固めた犯人なのだろう。
「みんな、気を付けて」
武器を構え、臨戦態勢を取るレイア達。
そんなレイア達を見て少女は本当に楽しそうな笑みを浮かべると、レイア達を氷像へと変えるべく飛び掛かってきた。

戦闘――開始





「きゃっ!」
「く……ああっ!」
「コハク、ジュディス!」
少女の放った巨大な氷の塊による一撃に、コハクとジュディスは大きく吹き飛ばされた。
レイアは二人の様子に気を配りつつも、目の前の敵から視線を逸らせない。
「強い……」
目の前にいるのはほんの小さな女の子だ。だが、その小さな体に秘められたポテンシャルは相当なものだった。
3人がかりでも防戦一方だ。今の一撃を食らってコハクは気絶し仰向けに倒れこんでしまっているし、ジュディスも槍を地面につけながらやっと立っていられる状態に陥るほどのダメージを受けてしまった。
「むー。お姉さんたちつまらないー」
そんなレイアたちを見下すように、少女は軽々とミラの氷像に寄りかかりながらぷっくりと頬を膨らませた。
「このお姉さんたちも簡単に凍っちゃったし、もっと足掻いてくれないと」
つんつんと凍り付いたミラの顔を指でつつく少女。
その余裕たっぷりな様子にレイアは思わず歯噛みした。
「ふう、まあそろそろ潮時かな」
やがて少女はもう飽きたと言わんばかりに大きなため息をついた
「もういいや、お姉さんたちも凍っちゃってよ」
そう言った少女は不敵な笑みを浮かべてレイアたちに向き直る。
(来る……)
レイアは直感で感じ取った。少女に巨大な力が集まっていることを。
おそらくこれから来るのは少女の最大の一撃だ。
「せーのっ!」
少女が両手を大きく振りかぶる、そして振り下ろされ、突き出された両手からぶわっつ、と巨大な冷気が噴き出した。
「そんな……」
レイアたちにその奔流が直撃した。
抵抗を試みるも、為す術などない。
やがてレイア達は意識もろとも真っ白な吹雪に飲み込まれていった。


吹雪が通り抜けたのち、そこには3体の氷像が新たにできていた。
驚いた様子でぽかんとした表情で固まっているのはレイアだ。武器を前に構え、必死で冷気に耐えようとした形跡もあるが、ただの少女が絶対零度の風に耐えられるわけのない。その身は完全に凍り付き、青白く染まっていた。
そしてその後ろにはジュディスとコハクの氷像もあった。
ジュディスはもはや満身創痍といったように表情をゆがめ、かろうじて立っている様子で。
そして、コハクは安らかに眠るように地面に横たわったまま氷像になっていた。
レイア達3人も完全に凍り付き、依頼を受けこの洞窟にやってきた全員が氷の像と化してしまった。
「ふう……」
大技を出した疲れか、レイアたちを固めた少女は大きく一息をついた。
そして、折角の手に入れた氷像を楽しむこともせずに踵を返し少女は歩き出す。
「温泉でも入ってリフレッシュしようかな……」
身も心も癒されたあと、じっくり堪能しよう。
そう心に決めながら、少女は足取り軽く去って行った。
後に残されたのは依頼を遂行できず、ただの氷の像と化したレイアたちの姿が残された。





温泉に入る
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氷像風呂に入りたいな♪


とある雪山の一画、そこにはひとつの温泉があった。
天然に湧き出たその温泉には今、5人の少女が浸かっていた。
この雪山の所有者である涼月グループの令嬢、涼月奏。
そしてその執事である近衛スバルとその知り合いであるマサムネ、ナクル、紅葉の5人だった。
5人はふもとの町に旅行で来ていたのだが、そこで奏が所有している山に温泉があることを思い出し、みんなで入りに来ていたのだ。
温泉の湯加減もよく効能もばっちり。さらには温泉から見渡す雪景色は素晴らしく爽快だ。
ここまでの雪山の道のりは大変だったが、それも吹き飛ぶくらいに5人は温泉を楽しんでいた。
しかしその様子を快く思っていない少女もいた。
この山の洞窟にすむ雪女である。
雪女も丁度今、温泉に入りにやってきたのだが、先客がいて入れなくなってしまったのだ。
「むう、今日はたくさん女の子を固めたから疲れているのに……」
女子学生にお姫様にetc……と、そう愚痴を呟いたが、先客がいるのなら仕方がない。あきらめて来た道を引き返す……様なことは当然しない。
「仕方ない、もう一働きしよっか」
雪女は目を吊り上げ、気合を入れなおすと標的へと向かっていった。



「ん?」
「あら? どうしたの、スバル」
入浴中だったスバルは何かを感じ取って振り返った。
それを奏が不思議そうな顔で見つめている。
「あ、いえ。何でもありません」
何かさっきのようなものを感じたが気のせいだろう。主を心配させないのも執事としての務めだ。
目の前ではじゃれ合うようにマサムネとナクル、紅葉の二人が絡んでおり(マサムネが一方的に絡まれていうともいう)、奏はそんな様子を見て楽しそうに微笑んでいた。
気のせいかと思い、スバルも再び方までゆったりとお湯につかる。しかし、
(やっぱり何か……)
違和感を感じる。スバルは立ち上がり、違和感を感じる方向を振り返ろうとした。その時だ。
ゴアッ、と大きな風音をたてて強風が吹いた。
「ひゃっ!」
突然の強風にスバルも思わず悲鳴を上げてしまう。
しかしこれはただの強風ではない。
全てを凍てつかせる絶対零度のブリザードだ。

ピキイッ

突然吹き荒れた強烈な冷気にこの温泉も、そして入浴中だったスバルたちも凍り付いてしまった。
立ち上がり、振り返り気味の格好をしたスバルも、温泉を堪能していた奏たち4人も、全身を霜に覆われて固まっていた。
何が起きたのか、理解する間のない一瞬の出来事だった。
ほんの一瞬風が吹いたと思ったら、次の瞬間には全身が真っ白に染まり、その身は氷像へと変わり果てていたのだ。
スバル、奏、マサムネ、ナクル、紅葉……5人の女の子は今や5体の氷像へと変化してしまっていた。
誰も動くことはなく、言葉を発することもない。
ただ凍り付いた温泉の中で、青白く濁った瞳をさまよわせ、沈黙を続けながら立ち尽くすだけだ。
そんな5体の氷像の元に雪女がやってきた。
雪女はスバルの氷像の前に行くと
「ん……ちゅ」
いきなりスバルの唇に自分のそれを重ねた。
氷像とのキスだ。
そして、十分スバルとのキスを堪能した雪女は唇を離すと、こんどは奏の氷像にキスをした。
これはただキスをしているのではない。雪女の魔力を流し込んでいるのだ。
凍っただけならただの氷像なのだが、こうして雪女の魔力を流し込まれると話は違ってくる。
体の芯まで氷と化し、決して溶けることはなくなってしまうのだ。
つまり、このまま永遠に氷像として過ごすこととなってしまうのである。
雪女は5体の氷像それぞれに魔力を送り込み、永遠の氷像に仕立て上げると満足そうに笑うのだった。
「さてと、温泉も凍っちゃったから少し待たないといけないか……」
今は凍ってしまっているが常に湧き出ている温泉なので、温泉自体は自然と元に戻るだろう。
それまでの間は今しがた自分が作り上げた氷像を撫でたり、眺めたりと存分に堪能するのだった。



そこには温泉があった。
温泉には今、1人の少女と5体の氷像が浸かっている。
雪女はその白い裸体をお湯につけ、ゆったりとくつろいでいた。
その周りには凍り付いたスバルたちの姿もある。
魔力のこめられた氷像となったスバルたちは温泉の熱ごときでは全く溶ける様子もない。
むしろ温泉を程よくぬるめにし、雪女が入浴するのに適度な温度に仕立て上げていた。
「やっぱり氷像を眺めながらのお風呂は格別ね……」
ほうっ、とため息をつきながら雪女は温泉に佇む氷像たちを眺めている。
雪女だって女の子なのだ。お風呂(ぬるめ)は大好きだし、それが美しい氷像を見ながらならなおさらだ。
触ってひんやりとその冷たさを味わったり、お湯をかけて雫が氷の肌を滴る様子を眺めたり、単純に動かない様子を楽しんだり……
雪女はこの至福のひとときを目一杯満喫するのだった。


ちなみに1年中溶けない氷像が立ち並ぶこの温泉は氷像の湯とのちに呼ばれるのだが、それはまた別の話である。

わたし、気になります!



好奇心は身をなんとやらという言葉がありますが、今回はまさしくそういうことなのかもしれません。


ある日のことです。私こと千反田えるはとある噂を聞きました。なんでも、とある洞窟の中にはたくさんのまるで本物の少女と見間違うかのようなリアルで精巧な氷像があるというのです。
これは気になります!
だってまるで本物の人間のようにリアルな氷像なんて、そんなものはめったにお目にかかれるものではありません。
一体どのような氷像なのでしょうか? そして、いったいどんな人がそれを作っているのでしょうか?
気になることは尽きません。
なので、わたしは一人でその洞窟を訪れてみることにしました。そして今、その洞窟内を散策しているところなのです。
実は他にも何人かの方に声をおかけしたのですが、残念ながら皆さん用事があるようで来てはくれませんでした……
全く、皆さんは氷像が気にならないのでしょうか?
そんなことを考えながら歩いていると、ついに目的のものを見つけました。
氷像です!
「これが噂の氷像ですね!」
そこにあったのは2人の少女の氷像でした。
わたしはあっという名に目を奪われてしまいました。
噂通りのとてもきれいな氷像です。
一見すると確かにまるで本物の少女がそのまま氷像になったかのように見えます。
わたしが想像していたよくあるすまし顔の像とは少し違って、何かに怯えているような様子の氷像ですが、それもきっと芸術的表現なのでしょう。
へたり込み、寄り添いあっている2体の氷像は本当に何者かに襲われて、氷像に変えられてしまったかのようにも見えました。
と、わたしはしばし見入っているとあることに気が付きました。
その氷像が乗っている台座に矢印と文字が書かれていたのです。
そこには「→ 氷像展示場 Aika&Alice」と書かれています。
なるほど、分かりました。
この2体の氷像が着ているのはとある国のとある職業……確か水先案内人≪ウンディーネ≫と呼ばれる職業の制服なのです。
つまりはこの水先案内人の氷像(アイカとアリスという名前みたいです。)が、わたしをその氷像展示場まで案内してくれるのでしょう。
「そうとなれば進みましょう♪」
わたしは鼻歌を歌いながら、意気揚々と道を進んでいきました。



しばらく進むもう一体の水先案内人さんの氷像を見つけました。
今度の氷像さんもまるで本物の少女のようです。
先ほどの2体と違うのは表情でしょうか。先ほどの2体が恐怖を現していたのなら、今度の1体はぽかんとした驚きの表情をしています。
そして、この氷像の台座にも、行き先をしっかりと示してくれていました。
「→ 氷像展示場この先すぐ Akari」
なるほど、この氷像はアカリさんというみたいです。
「かわいらしいお名前ですね」
とつい氷像に語りかけてしまいました。
しかし当然反応は帰ってきません。当然ですが少しさびしいです……
わたしはこのアカリさんに別れを告げると、ついに目的地へとたどり着きました。



「うわあ……」
壮観でした。
見渡す限りの氷像です。
しかもどれも本当に素晴らしい出来の。
ジャンルはばらばらのようで、女子学生、お姫様、司祭、歌姫、和風の女の子など様々な人物がモデルになっているようです。
わたしはしばしこの氷像たちを眺め、時間を過ごしました。
見れば見るほど氷像に興味がわいてきます。わたしが一通りの氷像を眺め終わると、今度はこの氷像の製作者へと興味が移りました。
一体どうしたらこんなあまりにリアルな氷像が出来るのでしょうか?
そんなことを考えていると
「お姉さん、知りたい?」
声がしました。
小さな女の子の声です。
私が振り返ると、そこには女の子がいました。
白い和服に身を包んだ水色の髪の女の子。その瞳だけが宝石のように赤く輝いています。
一体どなたなのでしょう? どうやらこの氷像について知っているみたいですし……もしかして
「製作者さんですか?」
「うん!」
女の子は勢いよく顔を縦に振ります。
なんと! こんな小さな子がこの氷像の製作者だったようです。人は見かけによりませんね。世の中は不思議でいっぱいです。
「ねえ、氷像についてもっと教えてあげようか?」
女の子がそんなことを言ってきました。
これは願ったりかなったりです。製作者自らこの氷像について教えてくれるなんて。
「はい♪」
わたしは二つ返事で答えます。
「じゃあちょっと身をかがめてくれる?」
「はい、いいですよ」
わたしは女の子の目線程度までかがみこみます。すると突然


ちゅっ


……
……え?
……え?
ええっ!?
今わたしは何をされたんでしょう?
私の目の前には女の子の顔が間近で見えます。その目は閉じられており、頬はほんのり蒸気してまして……そして唇がわたしの唇に触れています。
これは接吻というものなのでしょうか!? わたしは女の子にせっぷんされてしまったのでしょうか!?
と、突然の出来事に何が何やらわからなくなってきましたが
(あれ?)
なんだか急に眠くなってきました。さらに言うなら、体が金縛りにあったように動きません。
体中も寒くなってきて、感覚が薄れていくようです。
首が動かなかったので、わたしは視線のみでわたしの体を見てみました。するとなんということでしょう、私の体が凍り始めているではないですか!
どうやらこの女の子は雪女さんだったようです。つまりは今までわたしが見てきた氷像も、少女そっくりの氷像ではなく、少女がそのまま氷像になったものだったようです。
そして、今まさにわたしもその仲間入りをしようとしているのでしょう。
(……)
なんだか考える力もなくなってきました。
どうやら……わたしも……このまま氷像に……
……

ピキイッ


「……よし、完成かな?」
すっ、とえるの唇から唇を離した雪女は、目の前にある氷像に対して満足そうな笑みを浮かべた。
そこにあるのは真っ白な氷像だ。
少し驚いたような顔で、唇はキスしたままの啄んでいるような形で固まっている。
真っ黒だった髪も、今は青白く染まり、えるは完全な氷像へと変わり果てていた。
「さてと、この子も飾らないと」
雪女はそんなえるの氷像を持ち上げると、鼻歌を歌いながら運んで行った。
そして、展示場に1体の、女の子の氷像が追加されたのだった。

洞窟には幽霊さんが出るんだって

「おーい、お化けさーん。」
洞窟に何ともゆるい声が響いていた。
「灯里、大声出さないで!」
「藍華先輩も大きいです。」
そしてそれに続いて窘めの声、さらにそれを突っ込む冷静な声が聞こえてきた。
声の主は洞窟内を歩く3人の少女――灯里、藍華、アリスの3人だった。
3人がなぜこんなところにいるのかというと、この洞窟のとある噂を灯里が聞きつけたのが発端だった。
どうやらこの洞窟には女の子の幽霊が出るらしい。
その噂を耳にした好奇心旺盛な灯里に巻き込まれるような形で、藍華とアリスも幽霊探しに付き合わされているのだ。
「おばけさーん」
一人乗り気な灯里を先頭に3人は氷の洞窟を進んでいく。
そして、十分ほど歩いたところだろうか。灯里が何かを発見した。
「あ、あれはまさか!」
灯里が見つけたのは白い人影だ。
洞窟の先の暗闇にそれはぼんやりと浮かんでいた。だが、灯里が見つけた白い影は暗闇にすっと消えて行ってしまう。
「お化けさーん、まってー!」
そんな影を追いかけて、灯里が走り出した。
「ちょ、ちょっと灯里!?」
おいていかないでよー! という藍華の声も耳に入っていないのか、灯里は一人でどんどんと洞窟の奥へと進んで行ってしまった。
そして、置いてきぼりにされる藍華とアリスの2人。
「…………」
「…………」
「……どうしよう……」
「……どうしましょうか……」
途方に暮れる二人がそこには残された。


その後、灯里を探して藍華とアリスはひたすらに歩いていた。
「どこまで行ったのかしら……」
しばらく氷の道を進んだが、灯里の姿は未だ見つからない。
だが氷の道を進んでいると奇妙なものをいくつか見かけるようになった。
「藍華先輩、これ……」
アリスが道の傍らを指差した。
そこに転がっているのは氷像――魔女のような姿をした女の子の像だ。
近寄って見てみると、不気味なくらいリアルに作られている氷像だった。服の装飾から髪の毛の一本に至るまで精巧に作りこまれた氷像、
その氷像の何かに襲われたような表情も、この洞窟の不気味さに一役買っていた。
「なんでこんなとろに……」
氷の洞窟だし氷像が飾られているのならわかる。だが、このまるで捨てられたかのようなぞんざいな扱いはなんなのだろうか。
藍華とアリスはしばらくこの氷像を眺めていたが、やがてアリスが切り出した。
「先輩、こんなところで時間を使うのもなんですし、先に進みましょう」
「え……ええ、そうね。」
早く灯里を見つけてこんなところ帰りたい。
藍華は自然と早まる歩調で灯里を探して進んでいった。



そして再びしばらく進むと、今度は開けた場所に出た。
その場所には先ほど転がっていた様な氷像が、今度はきれいに並べられていた。
女子学生、お姫様、司祭、そして日本刀を構えた少女の氷像。
それらの氷像が台座に飾られていた。
どれも先ほどの氷像と同じように、まるで本物の少女のようにリアルな氷像だった。
だが、今度はまるで美術品を扱うかのように丁寧に扱われているようだった。
とはいえ、さっきあんなものを見た後ではこんな光景ですら不気味に思えてしまう。
「うう、もう灯里を置いて帰ろうかしら……」
「す……少し同感です……」
この少女の氷像が立ち並ぶ光景に恐怖感を覚え、藍華とアリスは引き返そうかと踵を返した時だった。
藍華とアリスが振り返った先、そこには白い着物を着た少女が宙に浮いていた。
それを見た藍華とアリスの血の気が引いた。そして、そんな二人に向かって謎の少女はにこっと笑うと……



ピキイッ


「うーん、お化けさんはどこに行ったのかなあ……」
灯里が先ほどの影を探して歩いていると、先ほど藍華たちがたどりついたのと同じ、少し開けた場所に出た。
どうやら灯里のほうが遠回りしてきてしまったらしい。
「ここは……」
そして、灯里の目の前には藍華たちが見たものと同じような光景が広がっていた。部屋の中に佇む無数の氷像。藍華たちが見た景色と違うことがあるとすればその数が違うことか。
「あれ、この氷像?」
灯里はその氷像の中でもとある2体に注目し、駆け寄った。
「うわー、藍華ちゃんとアリスちゃんそっくり」
それは灯里の友人二人にそっくりな氷像だった。
へたり込み、両手を合わせて二人で何かに怯えるように寄り添っている氷像だ。
もちろんこれは藍華とアリスそっくりの氷像ではない。凍り付き、氷像と化した藍華とアリスそのものだ。
そんなことに微塵も気づかず、灯里は2体の氷像にぺたぺた触れながら
「うわー、すごいね。 ねえねえ、藍華ちゃん、アリスちゃんこれ見て……」
とここで
「って、あれ?」
ようやく灯里は自分の後ろに藍華とアリスがいないことに気が付いた。
「あれ? どこに行ったんだろう」
実は目の前に凍り付いた2人がいるのだが灯里は気づかない。
きょろきょろとあたりを不思議そうに見まわす灯里。その後ろにはその二人を固めた張本人が近づいていた。そして
「ねえ、お姉さん。お探しの人を教えてあげようか?」
「え?」
灯里は振り返った。
そこにいたのは白い着物に身を包んだ小さな少女だ。
「お探しの二人ならそこにいるよ?」
「え、どこどこ」
灯里はその少女が指差した方向を見る。しかしそこには藍華とアリスの姿はなく、あるのは先ほどの2人にそっくりな氷像だけ。
「え、もしかして……」
灯里が不思議そうに顔を傾けた瞬間
「お姉さんも一緒に凍ってね」
「え?」
少女の声が響き、そして……


ピキイッ

ついたー

冷やしtwitterはじめました。

プロフィール

七月

Author:七月
七月(ななつき)といいます。
固体少女様にて稚拙な文章を投稿させたりなんかしていただいてます。
時間がありましたら暇つぶしにでも見てやっていただけるとありがたいです。

好きな漫画(ラノベ)、アニメ:魔法少女リリカルなのはシリーズ、ながされて藍蘭島、とある魔術の禁書目録、C3、ソウルイーター

好きなゲーム:東方project、夜明け前より瑠璃色な、BALDRSKY、SO3、SO4、サモンナイト3

最近好きなアニソン(ゲーソン):沈黙の空、jihad(BALDRSKY)、only my railgun(とある科学の超電磁砲)、Refrain(プリンセスうぃっちぃず)
連絡などございましたら以下のメールフォームへ
http://form1.fc2.com/form/?id=490964

ただ、僕は結構メールを放置する癖があるので、もし連絡が遅くなったらごめんなさい。

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