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夜明け前のクリスマス

こんばんは七月です。
速攻ですが久し振りにSS書きましたー。
例によって夜明け前より瑠璃色なのSSですが、被害者は珍しく姫様じゃなくて麻衣です
予想外に帰りが遅くなって、速攻で書いたので色々荒いかもしれませんが、宜しければどうぞー


登場キャラはコレでご確認を




「これ……何かしら?」
今には一人の女性がいた。名前は穂積さやか。この朝霧家の家主のような女性であった。
そのさやかの目の前には何故か普段あまり目にしないものが立っている。
「石像……よね?」
それは紛れもない石像だ。
人一人分くらいの大きさもあるそれは、さらにはさやかの良く見知った人に似ていて……
「麻衣ちゃんそっくり……」
小柄な体、整った顔立ち、両側の髪を縛るリボン。
一糸纏わぬ姿でリビングに置かれた石像は、何処をどう見ても朝霧麻衣の姿だった。
「どうしてこんな物があるのかしら?」
達也君が買ったのかしら? でもこういう石像って高そうだし……フィーナ様がもしかして……。などと考え込んでいると
「ごめんなさい、見つからなかったわ」
丁度頭に思い浮かんでいた人がリビングに姿を現した。
フィーナ・ファム・ファーシュライト。この家にホームステイに来ている月のお姫様だ。
「あの……フィーナ様」
「どうしたのさやか……まあ!?」
と、フィーナも石像を見て驚きの表情を浮かべた。どうやら彼女も知らないらしい。
「さやか、これはどうしたの?」
「さあ、私にも分かりません……」
フィーナは不思議そうな顔をしながら石像に触れている。
細部まで見事に作りこまれた石像は、まるで本物の人間がそのまま石になったといわれても信じてしまいそうなほどだった。
麻衣本人と並んだらさぞ面白い光景ではあっただろうが、ちなみにその麻衣自身は、今日はクリスマスコンサートに出るとかで、先輩の翠に連れられて朝早くに家を出て行って今はいない。
そのあと打ち上げもあるとの事で、もしかしたら先輩の家に泊めてもらって帰るのは朝になるかもしれないとのことだ。
二人して暫く石像を眺めていたが、やがてさやかが思い出したように口を開いた。
「あ、それよりフィーナ様、やっぱりありませんでしたか?」
「ええ。頑張って探してみたつもりなのだけれど……残念ながら、飾りしかなかったわ」
「そうですか……」
無かったわ。と少し残念そうな顔をした。
さやかとフィーナが探しているのはクリスマスツリーだ。
今日は12月24日のクリスマスイブ。
折角フィーナたちがいるので久し振りに出してみようとしたのだが、以前ツリーを出したのはもう大分昔のこと。
やはり古いものだし捨ててしまったのだろうか?
「うーん、でもツリーがないのは困りましたね」
頬に人差し指を当て、考え込むさやか。
「ねえさやか、何か代わりになる物はないの?」
「代わりになる物……あ!」
フィーナの言葉に何かを思いついたようにさやかは手を叩いた。
「折角だからこの石像に飾り付けしましょう」
「この石像に?」
二人が見るのは目の前にある麻衣そっくりの石像だ。
「これに飾り付けても結構綺麗になると思うんですが?」
「どうかしら? でもやって見る価値はあると思うわ」
さやかの意見をフィーナは肯定する。
「それならやって見ましょう。フィーナ様、そこにある飾りを取っていただけますか?」
「ええ、分かったわ」
そう言って二人して石像を飾り付けていくのだった。



「これで……いいのかしら?」
「はい、こんな感じで大丈夫ですよ」
数分後、そこには綺麗に飾りつけられた1体の石像があった。
首もとには大きなベルが吊るされ、体中には赤いリボンと電球が巻きつけられていた。そして、その電球の配線に掛けるように紅いボールの飾りやキャンディ、鈴などが飾られている。
「あとは綿を振り掛ければ……」
さやかが白い綿をほぐし、石像にのせようとすると
「ねえ、さやか。」
「何ですか?」
「折角なら……」
フィーナの声に、さやかはその指された方角を見る。すると……
「あら! 良いですね」
「ふふ……でしょう?」
窓の外には白い雪、今日はホワイトクリスマスだった。



「乾杯ーっ!」
その夜、朝霧家のリビングではクリスマスパーティーが開かれていた。
さやか、フィーナ、そしてバイトから帰って来た達也と、買い物帰りのミアの4人はジュースを片手にケーキやターキーなどの料理を囲んでいた。
ラジオから流れるクリスマスソングを聞きながら、わいわいと歓談するなか、やがて達也が
「クリスマスツリーが見つからなかったって聞いてどうしたのかと思ったけど、何とかなったみたいだね」
と、朝霧家の庭を見て口を開いた。
「はい、とても綺麗です!」
ミアも同様に庭にあるモノを見て言った。
「ふふ、どうやら喜んでいただけたようね」
「やってみた甲斐がありましたね。フィーナ様」
そして、さやかとフィーナも庭にあるモノに目を向けた。
そこにあったのは先ほどさやかとフィーナが飾りつけた石像だった。
雪が降っているのを見て、フィーナが外に置いたら綺麗なのではと提案したのだ。
実際リビングから見える光景はなかなかの物だった。
一糸纏わぬ姿の石像はその身に雪を積もらせながら、体に巻きついた七色の電球に照らされている光景。それは夜の暗闇にぼんやりとその輪郭が照らし出され、何ともいえない神秘的な美しさを醸し出していた。
「麻衣にも見せてやりたかったなあ」
「ふふ、明日の朝にでも見せてあげればいいわ。きっと驚くと思うわ」
「そうだな。麻衣の驚く顔が楽しみだよ」
そう言って達也とフィーナは顔を見合わせて笑った。
クリスマスの夜は更けていく。その間も麻衣の石像はずっと庭に立ちつくし、その身に雪を受け続けた。
やがて朝になり、麻衣の石像に大量の雪が積もってしまう。
それでも尚、石像はそこに佇み続けるのみだった。
そして、そんな石像の前に一人の少女が立った。
少女が不思議な玉を石像に掲げると、その玉が光だす。
その光を浴びた石像は見る見るうちに色を取り戻していった。そして、石像にされていた少女は石化が解けると、気を失ったまま目の前の少女に倒れこんだ。
『やれやれ、ようやく回収できたか』
「ん……ぎりぎり」
そこにいたのは小柄な金髪の少女リースリット・ノエルとその中に潜む人格であるフィアッカ・マルグリットだった。
『まさかまたこれが暴走するとはな……』
フィアッカは昨日のことを思い出す。
昨日、突然とあるロストテクノロジーが暴走した。その美少女を石化する力を持ったロストテクノロジーは例によって再びこの町に逃げ込むと、道を歩いていた少女を一瞬で石に変えてしまったのだ。
その少女というのがまぎれもない、いまリースの倒れこんでいる少女で朝霧麻衣本人だ。
ロストテクノロジーが石化する際に服を破壊してしまったため、麻衣は全裸の石像となってしまっていた。
その為、朝霧家に運んで服を着せてから元に戻そうとしたのだが、ほんの一瞬放置している間にさやかに見つかり、そのまま飾られてしまったのだ。
『……また迷惑をかけてしまったか』
全裸で倒れこんできている麻衣に申し訳なく思いつつもフィアッカはすぐさま次の行動に移る。
『とりあえずはこっそり服を着せて部屋に戻して置こう』
「麻衣の記憶は?」
『……まあどうにかなるさ』
勝手に自己補完してくれるだろう。と、最後は適当なフィアッカだった。



ちなみにこの後ベッドに寝かせて服を着せようとしている間に、何故か部屋に入ってきた達也に、ちょうどタイミングよく目を覚ました麻衣は裸を見られ(フィアッカは能力で姿を消している為見えない)、一波乱あるのだが、まあそれはどうでも良い後日談なのだった。


おわり。
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七月

Author:七月
七月(ななつき)といいます。
固体少女様にて稚拙な文章を投稿させたりなんかしていただいてます。
時間がありましたら暇つぶしにでも見てやっていただけるとありがたいです。

好きな漫画(ラノベ)、アニメ:魔法少女リリカルなのはシリーズ、ながされて藍蘭島、とある魔術の禁書目録、C3、ソウルイーター

好きなゲーム:東方project、夜明け前より瑠璃色な、BALDRSKY、SO3、SO4、サモンナイト3

最近好きなアニソン(ゲーソン):沈黙の空、jihad(BALDRSKY)、only my railgun(とある科学の超電磁砲)、Refrain(プリンセスうぃっちぃず)
連絡などございましたら以下のメールフォームへ
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ただ、僕は結構メールを放置する癖があるので、もし連絡が遅くなったらごめんなさい。

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