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黒雪人形姫

こんばんは、七月です。

今回は全開に引き続きアクセルワールドの人形化SSを書きました。
全開よりは設定説明を減らしたので、とっつきやすい……とは思います。
とはいえ人形化はあまり書かないので、表現とか稚拙なところはあると思われますが、それでもよろしければ続きよりどうぞ。

とある午後のこと。黒雪姫の部屋には二人の少女がいた。
一人はこの部屋の主である黒雪姫。そしてもう一人はその後輩であるチユリだ。
この日は他に黒雪姫の親友である楓子と赤レギオンの王であるニコの二人を加えて、黒雪姫の部屋でお泊り会をする予定だったのだ。だが、楓子とニコが用事は用事があって遅刻してくるということになり、今は黒雪姫とチユリの二人っきりだ。
しばらく他愛ないことで談笑していた二人だが、やがてとあるアプリケーションの話題がチユリの口から飛び出した。
「そういえば黒雪先輩。私、面白いアプリを見つけちゃったんですよ」
「ほう、面白いアプリとはどんなものかね?」
普段からアプリ作りが趣味の一つである黒雪姫も、興味津々といった様子でチユリの話題に食いついた。
チユリはケーブルを取り出すと、それを自分と黒雪姫の首に備え付けられたニューロリンカーに接続。自分の視界の中のデスクトップに開かれているアプリを黒雪の視界にも表示させた。
「『テクスチャ・アイ』っていうアプリなんですけど……どうやら視界にテクスチャをはる事が出来るアプリみたいです」
「ふむ、なるほど」
黒雪姫はアプリの説明書を開くと、その内容を読み始めた。どうやらチユリの言うとおり、生物の肌にテクスチャをはるのがこのアプリの効果のようだ。説明書に添付されていたサンプルのスクショを見てみると、そこには来ている服はそのままに、石になった人々が大量に写っていた。
どうやらこの画像では石のテクスチャをはったため、人々が石像のように見えているようだ。
実際にはこれが動いているのだろうが、スクショの中の動かない人々はまるで本物の石像のようにも思えた。
「なかなか面白そうじゃないか。楓子や赤いのが来るまでまだ時間がありそうだし、すこしこのアプリに興じてみるとしよう」
「そうこなくっちゃ。それじゃ黒雪先輩もインストールしちゃいましょう!」
チユリはケーブルを通じてアプリと黒雪姫へと転送する。
アプリの譲渡もそのまま無事に終わり、黒雪姫は早速アプリのインストールを開始した。
「よし、起動……と」
インストールを終え、早速アプリを起動させる。起動してみるとメイン画面が開き、そこには選択肢として
1:石像
2:人形(新作)
3:鋭意制作中
というコマンドが表示されていた。どうやらまだ開発途中のアプリらしい。
「ふむ、折角だから新作を試してみようか」
「あ、私も!」
そう言って二人で2番を選択した。
視界に『Dolls Eye--Start』という文字が表示され、それが消えるとすぐに視界に変化が現れた。
「これは……」
黒雪の視界の中、目の前にいるチユリの姿がみるみる変貌していく。
温かみを持った肌は一様に色白い肌色へ、唇のふっくらした桃色も味気ないただのピンクへ、そして茶色い髪もどこか乾いた色調へと変貌していく。
やがてチユリの輝いていた瞳もガラス玉の無機的なものへと変化していき、チユリの姿は完全に人形のそれになった。
「先輩、どうですか……って、何これすごーい!」
どうやらチユリの視界の中でも同じような出来事が起こっているようだ。おそらく彼女の視界の中には人形になった黒雪姫がいるのだろう。
勿論人形になったように見えるだけで、別に本当に人形になったわけではないのでチユリはぴんぴん動いている。人形になったチユリがはしゃいでいる光景は、見ていてとても不思議な光景だった。
「ふむ、これはすごいな……」
よく見てみれば指先の関節は球体関節となっている。こんな細かいところまで再現されてしまっては、もしチユリが動きを止めれば本物の人形と区別もつかないだろう。
と、ここで黒雪姫の好奇心に火が付いた。
「…………」
「? どうしました、先輩?」
「いやな、身体はどうなっているのかなと思って」
あれだけ精密に再現しているアプリだ。体のほうもどう人形として再現しているのかはすごく気になる。
じーっ、と体に注がれる視線を受けて、チユリは思わず身をすくめた。
「え……っと……先輩?」
「なあ、チユリくん。ちょっと脱いでみようか」
「せ……先輩!? ちょっと待……」
待てと言われて待つような黒雪ではなく、黒雪はチユリににじり寄るとすぐさまその制服を脱がし始めた。
「ひやあっ!?」
「ほう、これは……」
上着をはぎ取られ、スカートを下ろされ、白いブラジャーやパンツをさらす様な姿にされたチユリ。その体はやはり人形の姿をしており、肩や肘などの関節部には球体がはめ込まれているのが見て取れた。
「ほう、質感まで」
「ちょっ、いきなり触らな……ひゃん!」
おそらくはこれもアプリによる錯覚なのだろうが、肌に触れてみると少し硬い人形の肌の質感を覚えた。球体関節部も実際にその球面をなぞる感覚が掌に再現されている。
髪をすいてみてもそこには艶やかさなどなく、糸を触っているようなざらざらした感じがした。
「ここも……なるほど、こんなところまで……」
「やんっ!? くすぐった……」
まるで好奇心旺盛な子供のようにチユリの身体をくまなく触れる黒雪姫に、為すがままにされていたチユリ。
だが、ついには我慢の限界が訪れた。
「あーーっ! もう!」
「うわあっ!?」
「先輩ばかり楽しんで……今度はこっちが行きますよ!」
チユリとてやられっぱなしのわけにはいかない。
チユリは即座に黒雪の制服を剥がすと、自分と同じように制服をはだけさせた。
「な……何をする!?」
制服がはだけ露わになった胸元には控えめな胸と、意味があるのかないのかわからないが、それを支える黒いブラジャーが見えた。勿論パンツも黒な辺りは流石は黒雪姫か、と少し感心したところで
「ふっふっふ、今度はこっちの番ですよ」
人形の無機的な目を輝かせて、チユリは黒雪ににじり寄って行った。
「へえ、ただでさえ人形みたいな先輩が本当に人形みたい」
「お……おいこら、やめないか……っ」
黒雪姫の言葉を無視して、チユリは黒雪姫の全身をまさぐり始めた。
「質感も本物みたい……あっ、胸はちょっとやわらかいんだ。素材が違うのかな」
「だからやめ……きゃん!?」
「ふっふっふ、さっきの仕返しです。どんどん行きま……」
黒雪を縦横無尽に攻めていたチユリの動きが突然ぴたっと止まった。
そしてそのまま、かくん、と黒雪姫に詰め寄っていたチユリの身体が黒雪姫の身体にもたれかかった。
「おっと」
黒雪はそれを思わず抱き留める。
そのままチユリはピクリとも動かなくなり、黒雪姫にその身を預け続けていた。
「チユリくん、どうかしたのか?」
「…………」
チユリからの反応はない。
「おいおい、突然動かなくなって……これじゃあまるで本物の人形じゃないか」
黒雪は笑いながら自分にもたれかかっていたチユリの体をそっと持ち上げるが、それでもチユリは力なくうなだれたままだ。
「…………まさか」
怪訝に思った黒雪姫はすぐにアプリを切断した。本来ならばこれでチユリの姿は正真正銘人間として見えるはずなのだが、黒雪の視界にいるのは依然としてチユリの人形だ。
「ど……どういうことだ、これは! チユリくん!」
黒雪はチユリの体を揺さぶるが一向に反応はない。力なく垂れた全身がカラカラと音を立てて揺れるだけだ。
「まさか本当に……」
黒雪はチユリの顔を上げさせると、ガラス玉になった瞳をじっと見つめた。
ガラス玉の視線はうつろで、どこへともなく視線は注がれている。
そんな澄んだ瞳を見つめ続けていると、まるで自分もそんな瞳の中に吸い込まれていくような感じがして……
「……っ!?」
突然、黒雪姫の全身から力が抜けていった。
足も崩れ落ち、そのまま前のめりに体を倒していく。
「何だ……これ……は……」
分からない。
突然の出来事に、聡明な黒雪の頭脳をもってしても現状の理解は不可能だった。
だが、ただひとつ黒雪姫が理解できたことがあった。
それは黒雪姫が意識を失う間際に見た光景。
鏡に映った自分の姿は確かに人形の姿をしていた。



カラン



数分後
「サッちゃん、遅れてごめんなさい」
「よお、黒の王。来てやったぜ」
黒雪姫の部屋のドアを開け、2人の少女が中へと入ってきた。
黒雪姫の親友である楓子、そして赤の王であるニコの二人だ。
「んっ? 誰もいねーぞ」
「あら、本当に……」
しかし部屋のなかに黒雪や先に来ているといっていたチユリの姿はなかった。代わりに楓子は、少し異様なものが転がっていることに気が付いた。
「何かしら? これ」
楓子がベッドの上に転がる2体の人形を見ながら言った。そのうち黒く長い髪をした人形を楓子は持ち上げると、その造形をじっくりと観察する。
「人形……みたいだけど、サッちゃんにそっくり」
「ん? マジだな……」
楓子とニコは二人して黒雪姫の人形を見つめていた。
素材はプラスチック。長い髪は黒い糸。そして、瞳はガラス玉。
はだけた衣服から見えるのは間違いなく人形の身体だ。
しかし、顔と言いスタイルと言い造形は黒雪姫そっくりだ。(本人だから当たり前なのだが)
「持ち帰りたい……」
「何言ってんだお前!?」
頬を紅潮させる楓子に思わずニコがツッコんでいた。
「こほん。ま……まあそれは置いていおて、本当に綺麗な人形だと思いませんか?」
「ん……。まああいつに似てるのは癪だけど、人形としてはすごいきれいだよな」
「でしょう? ほら見てください。こっちの人形もチユリさんそっくりですよ」
「うわ、こっちもマジだ……」
こっそりと黒雪の人形を背後に隠した楓子は続いてチユリの人形を掲げた。
こちらも黒雪そっくりの人形のように衣服ははだけ放題だ。
「もうちっと衣装くらいきちっと着せてやればいいのに……」
「これはこれで趣があると思いますよ? ほら、こちらの人形もいい出来ですよ。特に瞳が綺麗で……」
「ん、ああ、確かに……」
そして、二人してチユリの人形の瞳を覗き込む。その綺麗なガラスの瞳に二人の視線は釘付けになった。
「…………」
「…………」
そんな吸い込まれるような瞳を二人は無言で、微動だにしないまま見つめ続ける。
そして、ついに……



カラン



とあるマンションの一室に、4体の人形が転がっていた。
まるで着替え中のようにはだけた上着と下着姿の人形が二体。そして、どこかの学校の制服を着た人形が2体だ。
それぞれ黒雪姫とチユリ、そして楓子とニコが人形と化したものだった。
黒雪の人形は床にあおむけに半裸状態で転がっており、その上に倒れこむように楓子の人形が折り重なっている。
チユリの人形はちょうどベッドが支えとなり、衣服をはだけさせたまま座り込んだ状態で動きを止めていた。
最後にニコの人形はちょうどテーブルに倒れこむように突っ伏していた。
この種々多様な格好で転がっている黒雪たちはすべて、『テクスチャ・アイ』というアプリの効果によるものだ。
この『テクスチャ・アイ』というアプリの効果。それはこのアプリを起動した人の視線を浴び続けると、本当にそのテクスチャどおりの存在になってしまうというものだ。
それはアプリ使用者が人形や石像になってからでも続き、楓子とニコもアプリを作動したまま人形になってしまったチユリの視線を受けて人形へと変わり果ててしまったのだ。
このアプリの効果が切れるまでは約半日かかる。
その間4人はこの黒雪姫の部屋の中で、人形として横たわることになる。
本来楽しいお泊り会のはずだったこの日、黒雪たちは人形になったまま夜を超え、翌日の朝を迎えることになってしまったのだった。


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プロフィール

七月

Author:七月
七月(ななつき)といいます。
固体少女様にて稚拙な文章を投稿させたりなんかしていただいてます。
時間がありましたら暇つぶしにでも見てやっていただけるとありがたいです。

好きな漫画(ラノベ)、アニメ:魔法少女リリカルなのはシリーズ、ながされて藍蘭島、とある魔術の禁書目録、C3、ソウルイーター

好きなゲーム:東方project、夜明け前より瑠璃色な、BALDRSKY、SO3、SO4、サモンナイト3

最近好きなアニソン(ゲーソン):沈黙の空、jihad(BALDRSKY)、only my railgun(とある科学の超電磁砲)、Refrain(プリンセスうぃっちぃず)
連絡などございましたら以下のメールフォームへ
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ただ、僕は結構メールを放置する癖があるので、もし連絡が遅くなったらごめんなさい。

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