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たりったり

こんばんは七月です。
もうすぐ年末ですね。今年はいかがだったでしょうか?
僕は仕事でいっぱいいっぱいであんまり有意義にはすごせなかったかなあ・・・とは思ってますねw
それでもいくらかは固めSSを投稿できたので、まあ最低限固め師としての活動はできた……かな?

さて、今回はTARITARI固めSSです。
結構展開は無理やしな気がしますが、そんなものでもよろしければどうぞー。



参考動画


江の島の夏は暑い。
加えて今日は雲一つない晴天だ。かんかんと照りつける日差しの中、気だるそうな面持ちで栗毛色の長い髪の少女――――宮本来夏は浜辺を歩いていた。
「太陽……滅びないかなあ……」
水着姿に麦わら帽子と、厚さや日照り対策はばっちりではあるが、暑いものは暑い。
そんな意味不明な発言で太陽へ憎しみの目線を飛ばしている来夏に向かって不意に横から声がした。
「意味わからないよ、来夏……」
来夏の横を歩き、そう言葉を発したのは坂井和奏だった。
水着一張羅な来夏と対照的に、肌を見せるのが苦手なのかパーカーを羽織っている和奏も頬に汗を垂らしながら浜辺を歩き続けている。
今、二人が歩いているのは地元の海水浴場だ。
今日は天気がいいということで、浜辺に遊びに来た二人だったが、少し遊び疲れたのでいったん海の家に行って休もうという話になったのだ。
「それにしても折角こんなに天気もいいんだから、沙羽も来ればよかったのにね」
和奏は今この場にいないもう一人の友人の名を出した。普段は来夏と和奏、そして沖田紗羽の3人でいることが常だったのだが、今日は紗羽はいない。
「沙羽は今日もバイトだって」
「また? 最近よく働くよね」
和奏は感心した様子で言うが、来夏はあることが腑に落ちない
「でもね。何のバイトなのか全く教えてくれないんだよね」
沙羽が来夏に隠し事をするなど珍しいことだった。
例年のこの時期ならば紗羽は海の家でバイトをしているのだが、それだったら隠す必要もない。となると、今年は何か違ったバイトをしているのだろうか?
「もしかしたら私たちに言えないようなことを……!? あのナイスバディで周りの老若男女をメロメロに……」
「ほら、着いたよ」
来夏が桃色の脳細胞をフル回転させている間に、どうやら海の家についたらしい。
来夏はハッと我に返ると、和奏の後に続いて店内へと足を踏み入れた。すると
「あれ?」
「どうしたの、来夏」
来夏はある物を見つけた。
それは、店内の隅にひっそりと佇んだ白い物体だ。その周りにはもの珍しそうにその物体を見物している人の姿も見える。
来夏と和奏もその物体の間近に観察しようと近寄っていった。
「なにこれ、氷?」
「うん、氷の彫像みたいだね」
近くで見たそれは1体の氷像だった。
人型をした真っ白な氷のオブジェだ。
フラダンサーをイメージしたのか、南国風の衣装を纏ったスタイルのいい女性の姿をした
その氷像からは白い冷気が迸っている。
その氷像から放たれる冷気に触れると、冷たさが全身に感じられ、暑さで緩んだからだが引き締まるようだった。
「すっごいよくできた氷像だね。すりすりして全身でこの冷たさを味わいたい!」
「来夏、おさわりはダメって書いてあるでしょ。うーん、でも……」
精巧な氷のオブジェに夢中になる二人。
しかし見れば見るほど、この女性の形が何処かで見たような気がしてくるのだ。
「あれ、これって……」
そして、ようやく来夏が気が付いた。それと同時に和奏もこの女性が誰なのかということに気付く。
「これ、もしかして……紗羽?」
和奏と来夏が覗き込むように見ると、それは間違いなく見知った友人の姿だった。
後ろで縛られた2本のおさげ、高い身長、大きな胸……二人の友人である沖田紗羽の姿そのものだ。
紗羽は依然商店街の出し物で着た南国風のフラダンスの衣装を身にまとい、全身青白く染まったまま微動だにせず佇んでいる。
両手を腰に当て、前のめりになってお尻を振るような動作をした格好で固まっている紗羽は、その抜群のプロポーションを余すことなく発揮していた。
「おーい、紗羽ー。元気ー?」
来夏は、そんな目の前の氷像に手をひらひらとかざしながら語り掛ける。しかし当然のことながら紗羽から返事が返ってくることはない。
紗羽の氷像は来夏の仕草や言葉にまるで反応することなく、ひんやりとした冷気を放ち続けていた。
「こりゃ駄目だね」
来夏はお手上げのポーズで和奏を振り替える。
「当たり前でしょ……でもなんで凍ってるの?」
「さあ、そういう気分の時もあるんだよ。うんうん……さて、パレオの下はどうなってるのかな?」
「覗かないの」
ぺしっ、とパレオの隙間から紗羽の生足を覗こうとしている来夏を和奏が叩いていると
「あら。来夏ちゃんに和奏ちゃんじゃない」
ふいに後ろから声をかけられた。
「あ、沙羽のお母さん」
「志保さん、なにやってるの? またサーフィン?」
そこにいたのはサーフウェアに、白いエプロンという格好の女性だ。
沖田志保。紗羽の母親であり、サーファーである彼女はこの浜辺で何度か来夏や和奏とも遭遇していた。
「違う違う、今日は紗羽と一緒にこの海の家のお手伝いよ。 紗羽から聞いてない?」
「いえ、まったく」
ぶんぶんと首を横に振る来夏を見て、志保は合点がいったように笑みを浮かべた
「なるほどね。来夏ちゃんに言ったら絶対冷やかしに来ると思ったから言わなかったのかもね」
「ふむ。もう冷えているのにさらに冷やかしとはこれいかに」
「何うまいこと言った顔してるの……」
自分の発言に満足げな来夏を、和奏が呆れ目線で見ていた時だ。
志保が何かを思いついたように手を叩くと、二人に向かって言った。
「そうだ、二人もバイトしない? 今ならバイト代にケーキもつけちゃうけど」
「え? バイトですか?」
「ケーキ……」
反応した点は微妙にずれていたが、二人が話題に興味を持ったところで志保は話を続ける。
「紗羽を見ればわかると思うけど、今この海の家で氷像になるバイトを募集してるのよ。集客用の看板娘ならぬ氷像娘ってやつね。丁度そろそろ紗羽を冷やしなおさないといけないし……二人も一緒に固まっちゃわない?」
「うーん、私はいいですよ。和奏は?」
「私は……ちょっと」
ノリノリの来夏に対して、和奏はあまり気が進まないようだ。そんな和奏に対して、志保は追撃をかける。
「ケーキ3つでどう?」
「…………」
そして……



「和奏って押しに弱いよねー。それともケーキに弱い?」
「来夏は黙ってて……」
来夏がにやけ顔で放った言葉に、バツの悪そうな顔で和奏はそっぽを向いた。
結局誘惑に負けた和奏も承諾してしまったようで、海の家の裏に連れて行かれた二人は同じく運ばれてきた紗羽の氷像を挟むようにして立たされていた。
服装も紗羽同様に南国風の衣装へと着替えており、その露出の多さに和奏は恥ずかし気に身を縮こめている。
「これ……ちょっと恥ずかしくない?」
「何をいまさら。あの時、和奏はいなかったけど、私たちはこれを着て踊っていたんだから」
「そうだけどさあ……なんかひらひらしてるし……」
和奏は頬を染めながら、バレオの裾を持ち上げながら言った。
「ほら二人とも、早くポーズをとって。でないと変な格好で固まっちゃうわよ?」
そして、そんな二人をせかすように志保が声をかける。
志保の横には液体窒素入りのボンベが置かれており、すでにホースの先は来夏をと和奏へ向えられていた。後はボンベの元栓をひねるだけだ。
「はーい、じゃあ……このポーズで」
上体をそりながら右手で自らの顔を抑え、左手を前に突き出すというポーズをとった来夏。
「来夏は何? そのポーズは……」
「私が考えられる中で最高に格好いいポーズ!」
「……そう……」
これよりはどんなポーズもましだなあ、と和奏も吹っ切れたようで、両手でパレオの裾を持ち上げながら、まだ多少ぎこちない笑顔を浮かべた。
「二人ともいい感じね。それじゃあ行くわよ」
二人がポーズをとったのを確認すると、志保はタンクの元栓を開け、ぶわっ、と勢いよく液体窒素が噴出させた。噴出された大量の液体窒素はあっという間に二人の身体を凍らせていく。
「わっ、冷た……」
「ひゃうっ!?」
温かい肌に、白い霜の膜が貼りついていく。
全身に吹き付けられた液体窒素に、ろくに悲鳴を上げる暇すらなく来夏と和奏は凍り付いてしまった。そして
「はい、凍結完了よ」
志保はタンクの元栓を閉め、液体窒素の噴出を止めた。そして、目の前に出来上がった3つの氷像に目を向ける。
そこにあったのは再冷凍された沙羽と、新たに固められた来夏と和奏の氷像だ。
ひらひらとした衣装の布も、髪の毛もその一本に至るまでが凍り付き、宙でふわりとしたまま動きを止めている。
来夏と和奏は固まる前に取ったポーズのまま、そして紗羽は先ほどと同じポーズのままで固まっている。
固まったばかりだからか、そのまま全身から勢い良く冷気を迸らせながら3人は全身が青白い霜に覆われた美しい氷のオブジェと化していた。
「さて、しっかり固まっているかしら?」
志保はその肌に触れ、冷たく固まっていることを確認する。
指が氷に張り付く感じがし、ピリッと指を離すときに軽い痛みが走った。
「うん、良く固まっているわ。これで3時間くらいはもつわね。そしたら再凍結しないとだけど」
志保はどこからか台車を持ってくると、ゆっくり壊さないように3体の氷像を台車に載せた。そのまま台車を押し、氷像たちを店内へを運んでいく。
「じゃあ3人とも、しっかり氷像としての役目をよろしくね」
そして3体の氷像は、志保の手によって海の家に飾られることになったのだった。



海の家には3体の氷像が飾られていた。
身体から迸る冷気は海の家の中を涼しくさせ、さらに凍り付いた美少女たちの造形美は眺めているだけでも楽しめた。
その評判のせいか、海の家にはいつもよりたくさんの人が訪れてはこの氷像たちを写メで撮ったり触ったりして楽しんでいた。
「いやー、わが娘たちながらいい氷像ね」
志保はその光景を満足そうに眺めている。
どんな形でも自分の子が評価されるのはうれしいものなのだ。
「いやー志保さんのアイデアのおかげで今日は客入りが随分と良いよ」
そして、そんな志保に向かってこれまた満足そうに店主が語り掛けた。
「あらそう? それなら良かったわ」
「それで、良かったら明日もお願いできないかな?」
どうやらバイト期間延長の話らしい。志保はそれを特に考えることなく即座に了承した。
「え? ああ、そうね。本人たちに聞いてみましょうか。ねえ紗羽、来夏ちゃん、和奏ちゃん。明日もやってもらえる?」
「「「…………」」」
「沈黙は了承と判断するわ。オッケーですって」
「そうかい、助かるよ」
こうして本人たちのいないところで、勝手に契約が成立していた。
そんなことも知らずに、来夏たちは依然氷像として店内に飾られているのだった。



翌日のこと
「うん、いいねー。この構図!」
海の家にはひとり来夏の姿があった。来夏の見つめる先には紗羽と和奏の石像があり、来夏はそれを満足げに見ている。
本来紗羽や和奏と一緒に固まるはずの来夏は、ちゃっかりとそれを回避していたのだった。
「うーん、固まっているのも悪くなかったけど……わたしはやっぱりこう、マネージングするほうが向いているね」
そんな来夏が提案した構図を再現するように、紗羽と和奏は今日も固まっている。
儚げに仰向けの倒れこむ紗羽を支えるように和奏が腕を背中に回し、引き寄せるようにしながら二人は見つめ合っている。
まるでお姫様を王子様が抱きかかえるような。
二人とも着ているのは水着とはいえ、そんな光景がありありと浮かんでくるようだった。
石像となり、永遠に見つめ合う恋人たちのような構図。
この構図を来夏は女性的な魅力のある紗羽と、見かけは凛々しい印象がある和奏のイメージを生かした構図だと自画自賛していた。
「どうです、志保さん」
「いいわねー。来夏ちゃん、流石よ」
さらには志保も大絶賛だった。なにせ
「うーん、まあ和奏ちゃんになら紗羽をあげてもいいかしらね」
和奏と紗羽の紡ぎだす恋人のような雰囲気を見て、こんな事を言う始末だ。
「人数を減らして人件費も節約できるし、集客も大成功だし、良い事尽くめよね」
ちなみに今回は氷像でなく石像にしたのも経費削減のためだ。
何度も固めなければいけない凍結よりも、一度固めてしまえば長持ちする石化のほうがいいだろうと来夏が提案したのだ。
「ふっふっふ、困った時はいつでもこの私に相談してくださいよ。と、言うわけで今後はこの二人で売り出していこうと思うんですが」
「あら、いいわね」
早速来夏は今後の展開について志保と語りだす。
「明日は黄金像とかどうですか?」
「それは予算が厳しいわねえ」
わいわいと楽しく話し合う二人をよそに、紗羽と和奏の石像はただ見世物として佇んでいるだけだった。
こうして夏休みの間、紗羽と和奏は様々なシチュで飾られたのだという。


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プロフィール

七月

Author:七月
七月(ななつき)といいます。
固体少女様にて稚拙な文章を投稿させたりなんかしていただいてます。
時間がありましたら暇つぶしにでも見てやっていただけるとありがたいです。

好きな漫画(ラノベ)、アニメ:魔法少女リリカルなのはシリーズ、ながされて藍蘭島、とある魔術の禁書目録、C3、ソウルイーター

好きなゲーム:東方project、夜明け前より瑠璃色な、BALDRSKY、SO3、SO4、サモンナイト3

最近好きなアニソン(ゲーソン):沈黙の空、jihad(BALDRSKY)、only my railgun(とある科学の超電磁砲)、Refrain(プリンセスうぃっちぃず)
連絡などございましたら以下のメールフォームへ
http://form1.fc2.com/form/?id=490964

ただ、僕は結構メールを放置する癖があるので、もし連絡が遅くなったらごめんなさい。

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