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今年も終わりですね

こんばんは七月です。
今年もそろそろ終わりですね。
そんなこんなで今年最後のSSです。

今回もSAOの結晶化SSです。
昨日SAOのBD3巻を見て一気に書いてしまいましたw
こうやって書けるものはあっという間に書けてしまう不思議……
そして今回は固めた後に加工というシチュもあるので、そういうのが苦手な方もご注意ください。
そんなものでもよろしければ続きよりどうぞー。アインクラッド55階層『西の山』。
万年雪が降り積もり、一面の氷の世界であるこのエリアにリズベットの姿があった。
「うーっ、いつ来てもここはさっむいなー」
リズは厚いコートに身を包み、単身雪をかき分けて山道を進む。
目標は山頂。そこに存在する大きな縦穴だ。
「ふう、やっと着いた」
辺りも暗くなり始めたころ、1時間ほどの登山を終えてリズはようやく目的の場所にたどり着いた。
リズの目の前に広がるこのぽっかりと空いた大穴は、このエリアの主であるドラゴンの巣だった。
「さて、今回はどれだけ拾えるかな」
リズは鍛冶屋である。
剣や楯、鎧などの武具や装具を作ることを生業としているリズは時々こうして自らその素材を集めに様々なエリアを駆け巡っていた。
今回も、とある素材を求めてこの険しいエリアへとやって来ていたのだ。
リズは大穴の淵にしっかりと杭を打ちつけ、ロープを結ぶとそれを穴の中へと垂らしていく。そして、それを伝ってゆっくりと深く暗い穴を降りていった。
「よっ……と。 あ、あったあった」
穴の底へと降り立ったリズは、早速お目当てのものを発見した。
巣の中にまで降り積もっている雪の間から突き出した、美しく透明に光る無数の結晶――――まさしくリズが捜していた素材『クリスタライト・インゴット』だ。
武器の素材であるインゴットの中でも最高レベルの素材であるこの素材は、このエリアに存在する結晶を食べるドラゴンがおなかの中で生成される特殊な素材だった。
だが、この素材はただドラゴンを倒すだけでは手に入れることはできない。
結晶を食べるドラゴンにとってその結果としておなかの中でできたインゴットはただの排泄物であり、ドラゴンはそれを無造作に巣穴の中へと排出している。
つまりはドラゴンが排出したインゴットを、こうしてわざわざドラゴンがいない時を見計らって巣に忍び込んで探し出さなければ手に入らないのだ。
「ま、ドラゴンの習性さえわかっちゃえば楽なものだけどね」
ドラゴンは夜行性のため夜は外を飛び回っている。
なので、こうして日が沈むころに忍び込めば決してエンカウントすることはない。
突然の強敵とのバトルなど気にすることなく、悠々と素材を探す事が出来るのだ。
「よーし、拾えるだけ拾っていっちゃうわよ」
リズはさっそく周りに落ちている結晶を拾い上げてはアイテムストレージへと収納していく。
そして、一際大きく雪の中から突き出した結晶へと手をかけた。しかし
「あれ? なんか重いなあ」
雪から顔をのぞかせる結晶を握り、拾おうとしたのだがなかなか持ち上がらない。
リズは両手でつかみ、今度は全力で引っ張った。
「うぐぐぐぐ……っわああっ!?」
ぼっ、と雪が盛り上がり、そこから結晶全体が引っ張り出された。
「あいたたた……って、何これ……?」
勢い余って尻餅をついたリズはお尻を摩りながら立ち上がり、たった今自らが引っこ抜いたものに近づいた。
それは巨大な結晶だった。
今まで拾ったどんな結晶よりも巨大なそれは、ただの鉱物の塊と言うよりも何かのオブジェのような整った形をしている。
そういえば、さっき雪から突き出ていたものも、まるで人間の手のような形をしていたような……
「って、これアスナじゃない!? どうしたのよ!?」
リズは慌ててアスナの結晶像へと駆け寄った。
雪から掘り出され、横たわっているのは見間違える用もなくリズの友人であるアスナの姿だった。
だが人の形はそのままに、その身は一片残らず煌びやかな結晶へと変わり果てていた。
片目を閉じた苦悶に表情を浮かべ、ポーズも何かに必死に抵抗したようにもがき、苦しんだ後が見て取れる。
装備もすべて破壊されたようで、アスナはただの裸婦像として無造作に雪の上へ転がっている。
「何でこんなことに……」
別にここにいるのはそれほど不思議には思わない。
クリスタライト・インゴットの入手方法はアスナにも教えてあったし、どんなプレイヤーであっても強力な武器を作る素材を求めるのは当然のことなのだから。
しかしこの状況はなんなのか。
どうしてアスナは今、リズの目の前で結晶像として転がっているのか。
と、そこでリズは一つの可能性を思いつく。
ドラゴンはクリスタルを食し、それをおなかの中で凝縮させることにより『クリスタライト・インゴット』を精製する。
ならば、他のものを食べたらどうなるのか? 答えは簡単だ。
クリスタルと一緒に、それも濃縮されるだけである。
おそらくは素材を取りに来たアスナはここでドラゴンに食べられてしまった。そして、そのままドラゴンの腹の中で、結晶と一緒に濃縮され、人の形をした結晶の塊へと変化してしまったのだ。
結晶と化した(クリスタ)閃光のアスナ(ライト)の素材(インゴット)。偶然にも、まさに名前通りの存在となったアスナは最早、いちプレイヤーではなくただの素材と化してしまっている。
「ちょ……ちょっとアスナ、しっかりしなさいよ!」
「…………」
心の中では返事など返ってこないのは分かっているのに、リズは思わずアスナの身体を揺さぶり、声をかけた。
いくら揺さぶられたところで当然アスナからの返事はない。ただの結晶の塊として沈黙を続けていた。
手だけを残して雪に埋まってしまっていたことから想像すると、アスナが結晶にされてからかなり日数は立っていそうだ。
もしかしたら耐久値も危なくなっているかもしれない。
ならばいち早く持ち帰って元に戻してあげなければ。
「ここから出たらすぐに元に戻してあげるからね」
リズはアスナのインゴットにカーソルを合わせると、アスナをアイテムとして自身のストレージへと仕舞った。
「うん、ちゃんと入ってる……ね……」
友人を無事に確保できたことを確認しようとしたリズは、そこである物を見てしまった。
「…………」
アスナのインゴットにカーソルを合わせ、表示された画面にはそのアイテム名、姿、そしてそのアイテムに関する説明が書いてあったのだ。
そして、このアスナのインゴットに対する説明として書かれていたのは、このインゴットを素材として剣を作りあげたときに剣へと付与される特殊能力の数々だった。
「何これ、めちゃくちゃ強い剣が出来ちゃうじゃん」
流石は攻略組。
武器素材と化してまで、今まで見たことがないような強力な効果発揮するアスナに思わずリズは感嘆していた。
「……いやいや、でも流石に友人を武器にしちゃうなんて……」
とは言いつつも、リズの鍛冶屋魂への誘惑は強い。
「……いやいやいやいや」
なにせ、この素材を使えば最強の剣が作れてしまうかもしれないのだ。
それに、武器の素材として使ってしまったからと言って“アスナが死ぬわけではない”のだ。
「……ちょっとだけなら……許してくれるかな?」
そして、リズは一線を越えてしまうのであった。



「いやー、リズちゃん。今日は助かったよ」
「あはは、また困ったことがあったら言ってねー」
後日のこと。
顔見知りのパーティーと共にクエストを終えたリズは彼らと別れ、一人帰路についていた。
今回のクエストは魔物の討伐だ。そこで、リズは最近手に入れたとある武器によって魔物を圧倒する大活躍を見せたのだった。
「全くもって、“これ”のおかげかな」
ことり、とリズは手に持っていたそれを壁に立てかけた。
水色の、輝かんばかりの艶やかさを持ったクリスタルの剣は閃光剣≪フラッシュ・ティア≫と言った。
キラキラと光る水晶の刃。
そして、柄の部分には素材である少女の姿があった。
腰から足に掛けては刃と一体化し、丁度体幹が剣を握る部分となっていた。
そして、柄の先にはアスナの頭が見て取れる。
実際に握ってみると刃と反対方向からアスナの顔が覗かせるようになっていた。
そう、この剣はアスナのインゴットを元に作り出したものなのだ。
あのあと、アスナのインゴットを工房へ持ち帰ったリズは早速武器の精製作業に取り掛かる準備を始めた。
精製作業と言ってもシステム化されたこのゲームの中でやることは、とても単純な作業だった。
まずは精製に使う素材を具現化させ、台の上に載せる。今回使ったのは主な素材としてアスナの『クリスタライト・インゴット』。そして、追加素材として『虹の鱗』『一角獣の角』といった超レア級素材だ。
折角最高の剣を作るチャンスなのだから一切の出し惜しみは無用だった。
リズは持てる限りの最高の素材を揃え、次の作業へ移る。
次に行うのは素材の過熱だ。竈へと素材を放り込み、適度な加減で取り出す。そして、あとは真っ赤に熱を帯びた素材をタイミングよく金槌で叩くだけだ。
それだけで、自然と素材は武器へと姿を変えていく。
リズもアスナのインゴットを竈にいれ、熱し終えるとそのまますぐに金槌を振りかぶるとアスナの身体を穿っていった。
カン、カンと金属音が響き、叩かれたところが凹んでいく。
叩くたびにアスナの身体は歪み、人としての形を崩壊させていった。そして、数回にわたって叩き終えると同時にアスナの身体は光に包まれ、追加素材を取り込むと同時に一気にその形を変えて行った。
こうして閃光剣は誕生したのだ。
「ああ、いいわ……」
リズはうっとりと壁に立てかけた剣を眺めていた。
リズの知りうる限りでの最高の一振り。リズはその出来に思わずうっとりしていた。
しかし、さすがに友人を素材として使ってしまった剣だ。いつまでもそのままにしておくわけにはいかない。
いい加減元に戻してあげなければ。
「さて、作業を始めますか」
リズは閃光剣を台の上に載せると、早速その作業へと取り掛かった。
鍛冶屋のスキルである『分解』だ。
この能力によって、一度加工してしまった素材でもリズは自在に取り出す事が出来る。
リズは剣を竈に入れ、真っ赤になるまで熱すると以前と同じように金槌で叩いた。
すると、剣はみるみるうちに人の形を取り戻し、アスナの結晶へと姿を変えていった。
以前のドラゴンに飲まれたときの不格好な結晶像ではなく、今回は一度素材として使われてその後に再構成されたからか、無表情で直立不動というなんとも味気ない格好でアスナの像は立っていた。
「さて、おつかれさま。今度こそ元に戻してあげるからね」
リズは解除薬をアスナに振りかけようとしたその時だ。ピピピ、と着信音が鳴った。
「あれ、メール?」
突然一通のメールがリズの元に届いていた。その内容は簡単に言えば『明日も強大エネミーの討伐を手伝ってほしい』とのことだった。
おそらくは今日の活躍を見込まれてのことだろう。しかし、その今日の活躍は閃光剣あってのものである。その閃光剣はすでにアスナのインゴットへと戻してしまっていて……
「…………」
リズは無言でアスナの像を見つめた。そして
「…………えっと、アスナ? もうちょっとだけ……ごめんね?」
リズは気まずそうにアスナの像に謝ると、再び竈へアスナの像を運んで行き、再び熱し始めた。
カン、カン、と金槌がアスナを叩く音が響く。
「ふふふ……やっぱり強い武器を作っているこの瞬間は最高だわ……」
職人魂が間違った方向に進みつつあるリズは少しばかり病的ともいえる笑みを浮かべながら作業を続けた。
「今度は剣じゃなくて楯や鎧にするのもいいかも……。あ、ここにシリカの魔石でも合成したら……ふふっ、なんかすごいのが出来るかも!」
そんな妄想までしながら、一心不乱に熱されたアスナを叩き続けるリズ。
金属と金属の打ち合う音だけが、工房には響き渡っていた。


この後もこうした依頼が続き、アスナが本当に元に戻れたのはだいぶ先になってのことだったという。
もちろん、リズはこっぴどくアスナに(ついでにシリカにも)叱られたのは言うまでもないことなのだった。
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Author:七月
七月(ななつき)といいます。
固体少女様にて稚拙な文章を投稿させたりなんかしていただいてます。
時間がありましたら暇つぶしにでも見てやっていただけるとありがたいです。

好きな漫画(ラノベ)、アニメ:魔法少女リリカルなのはシリーズ、ながされて藍蘭島、とある魔術の禁書目録、C3、ソウルイーター

好きなゲーム:東方project、夜明け前より瑠璃色な、BALDRSKY、SO3、SO4、サモンナイト3

最近好きなアニソン(ゲーソン):沈黙の空、jihad(BALDRSKY)、only my railgun(とある科学の超電磁砲)、Refrain(プリンセスうぃっちぃず)
連絡などございましたら以下のメールフォームへ
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ただ、僕は結構メールを放置する癖があるので、もし連絡が遅くなったらごめんなさい。

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